2008/07/12(土)
![]() | 正しく知る地球温暖化―誤った地球温暖化論に惑わされないために (2008/06) 赤祖父 俊一 価格:¥ 1,470 (税込) 1500 円以上国内配送料無料 商品詳細を見る 炭酸ガスによる温室効果、地球の自然変動による温暖化の違いや地球温暖化の正しい知識を解説。地球温暖化という都合のよいプロパガンダに踊らされてはいけない。 |
【内容紹介】
現在進行中の地球温暖化の大部分は、地球の自然変動である可能性が高いことを指摘。
付随する政治・社会問題を含め、温暖化問題を一般的な見解とは別の観点から論じる。
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
赤祖父俊一(アカソフシュンイチ)
1930年、長野県生まれ。1953年東北大学理学部地球物理学科を卒業。同大学院在学中の1958年にアラスカ大学大学院に入学。博士号を取得。アラスカ大学地球物理研究所助教授を経て、1964年に教授に就任。1986年から1999年まで、アラスカ大学地球物理研究所の所長、2000年から2007年まで、アラスカ大学国際北極圏研究センター所長を努める。オーロラをはじめ、地球電磁気学や北極圏研究における世界的権威(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
【目次】
序章
第1章 温暖化(気候変動)は起きている
第2章 北極圏と北極圏における炭素循環
第3章 自然変動を忘れてはいけない
第4章 小氷河期
第5章 準周期的変動
第6章 地球温暖化の誤情報
第7章 地球温暖化問題はどうしてこんな騒ぎになってしまったのか
第8章 グローバル資本主義の危機?―炭酸ガス問題、背に腹は代えられない
第9章 日本はどうすればよいか
【商品の詳細】
# 単行本: 183ページ
# 出版社: 誠文堂新光社 (2008/06)
# ISBN-10: 4416208189
# ISBN-13: 978-4416208182
# 発売日: 2008/06
# 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 1.4 cm
著者は前国際北極圏研究センター所長である。前著「北極圏のサイエンス」は著者の長年の研究拠点となった北極圏を日本に紹介するという主目的の中で「気候変動問題でのマスメディア報道による北極圏に関する誤解を解く」ことに一部ページが割かれていたが、今著は最初から「地球温暖化問題」に焦点をあてて書かれた著者渾身の一冊である。
著者は豊富な文献的な資料からIPCCが無視してきた小氷期が確かに存在したことを立証し、この小氷期が1800年頃に終わった後から 0.5℃/100年の温暖化が現在まで200年間持続していることを示している。この温暖化は大気中CO2濃度上昇のはるか以前から始まっており自然現象とみなすべきである。したがって20世紀に認められた0.6℃の気温上昇のうち少なくとも6分の5は自然現象であると主張している。これは「1900年代中頃から観測された気温上昇の大部分が人間活動による温室効果ガスによる可能性が極めて高い」という2007年のIPCC4次報告に真向から反論するものである。「ホッケースティック」に見るようにIPCCは小氷期の存在を認めていない。それは「気候の自然変動を軽視し最初からCO2による温暖化を重大問題にすること」を政治目的とした組織であるからだと言う。その結果IPCCによって気候学という学問が歪められてしまっており新興宗教のようになっていると著者は言い切っている。人為的温暖化説に疑問を呈する者が「懐疑者」「否定論者」「人類の敵」などと呼ばれているのがその証拠だ。学問であるなら当然「反論者」と呼ばれるべきである。「IPCCは公明正大な権威ある科学者集団」と勘違いしている日本人が多いが、それは妄想に過ぎない。これはIPCCの主張を拠り所として温暖化を支持している人々にとってはその根拠を失う指摘でもある。温暖化の原因が自然現象であれば順応することが第一で対策などあろうはずもなく、温暖化対策に巨額の税金を投入することは全くの無駄である。資源枯渇の問題には「石油資源を大切に使いましょう」と呼びかけるだけで十分で、何も「温暖化」で脅す必要はないと主張している。
著者は海外生活が永く立場上諸外国の事情に明るい。また外から日本を見ていると内側がよく見えるようだ。政官民一体となって「地球温暖化問題」を騒ぎ立てているのは世界中で日本だけだと指摘する。我が国の将来的な戦略として最重要かつ緊急課題はエネルギーと食料の確保であり、温暖化問題のような不急の問題で国力を費やすのは得策ではないという著者の主張はまさにそのとおりである。現在この問題は最大の国際政治問題になり、温暖化防止・CO2 排出削減は裕福な先進国と貧しい発展途上国の争いの道具になっている。外交べたの我が国はこのままでは「地球温暖化問題」で疲弊し切ってしまうという著者の危惧は祖国を強く思う気持ちから出たものであろう。しかし残念ながら自分達の活動と存在を正当化するためだけに温暖化問題を極端に過大視している「温暖化防止団体」や、「寒冷化だ。温暖化だ。」と何かにつけて騒ぐ「大変屋」が跳梁跋扈して、これに同期した無知なマスメディアのセンセーショナルな一方的な誤情報が騒動を増幅して国民の大部分が踊らされているというのがわが国の現実である。そろそろ踊るのを止め、正気にもどって冷静に考えてみてはどうかという著者の日本国民への切実な訴えが痛感される好著である。
温室効果の説明がややぎこちないが、それを補って余りある高密度の内容で最高評価とした。これから温暖化問題を考えようとする人だけでなく、今まで何も考えず温暖化対策に突っ走ってきた人にもぜひ読んでいただきたい一冊である。
地球温暖化報道が、ホラー映画のような傾向になっている今日、科学者の側から冷静な分析の報告が出るのは喜ばしいことです。最近は、行き過ぎた報道の反動からか、トンデモ説を含んだ「地球温暖化・懐疑本」が、多く出回っています。しかし本書は、理科系的にも真っ当な「地球温暖化・懐疑本」です。本書は、渡辺正&伊藤公紀・著『地球温暖化論のウソとワナ』(ベストセラーズ)と並んで、理科系科学ファンに推薦できる良書です。以下、本書の感想を備忘録的に書きつづります。
「地球の気候システム」は複雑で、何が原因か変化するのかわからないのは、日々の天気予報の困難さからもわかります。コンピュータを使っても、 TVゲームの中身と変わりません。占いをコンピュータで行っても、人間が行っても当たる確率が上がる訳ではありません。科学的な根拠があって始めて、コンピュータ・シミュレーションの予測が評価されるべきです。地球温暖化は、事実関係をねじ曲げた報道が多いです。北極圏の永久表土が融ける話、シロクマが激減したという話、などなど。
北極圏は20世紀中、温度が大きく変化しています。前半は温暖化し、中頃に寒冷化し、後半は温暖化しています。これは大気中の二酸化炭素量と比例していません。また20世紀後半、海流が変化して暖かい水が北極圏に流れ込んでいるという事実も重要です。
北極圏研究で著名な赤祖父俊一先生が地球温暖化についての解説本を出したというので、一も二もなく購入した。地球温暖化の二酸化炭素犯人説は今や「既定の事実」となった感がある。しかし、これが文字通り単なる「説」であり、政治的な理由とマスコミのセンセーショナリズムによって喧伝されてしまったことが分かりやすく解かれている。あんまり分かりやすいので痛快ですらある。(誤解を招かないように附記するが、本書でも地球温暖化が進行中であることを否定していない。ただ、その原因の多くを二酸化炭素に帰している現状に対して反論しているのである。)
私は有機化学の専門家であり、日々、小さなフラスコ中の化学反応を眺めて暮らしている。フラスコの中のように極度に単純化された場合ですら、微妙な温度の違いや微量不純物の存在で全く違った結果になることは日常茶飯事である。気象現象のようにフラスコ中より遙かに複雑な因子が絡み合ったシステムでは、予測が極端に難しくなることは明らかであろう。本書では現在の「二酸化炭素犯人説」が非常に単純化したモデルで解析を行っていること、またそれが誤りであり、それを鵜呑みにすることがたいへん危険であることを多角的に検証している。昨夜も二酸化炭素犯人説を取り上げ未来を憂えていたニュース番組の某メインキャスターはじめ、暴走中のマスコミ関係者に読ませたい本である。危機感を煽れば視聴率は稼げるし、正義の味方として好感度は上がるだろう。しかし、ここを誤ると「所沢ダイオキシン訴訟」どころの騒ぎではなくなる・・・
レビュアはあるきっかけから炭酸ガスによる温暖化説は政治的なプロパガンダに過ぎないのではと思うようになって久しい。昨今の報道の加熱を苦々しく思ってきた技術屋の一人です。最近ようやく国内でも矢沢潔、渡辺正、伊藤公紀、養老らの著作が出てくるようになりました。しかし彼らの本は、基本的にプロパガンダや報道のデタラメを批判するに終始しているために、説得力にどうしても限界を感じます。その点本著は、著者の結論を堂々と表明している。すなわちあまたの信頼にたる根拠から、小氷河期が存在しその回復過程として、人間活動とは異なる自然な温暖化が1800年頃から続いていることを明確にし、そこから現在の温暖化の少なくとも6分の5が自然現象であると鮮やかに示しています。これはおそらく著者の北極研究の経験と知識、特にそれを通じて幅広い気候研究の成果を知る立場にあること、さらには何よりも複雑な自然現象の超一流の研究者であることが寄与している。IPCCのコンピュータシミュレーション中心の方法論への批判には、著者の自然科学者としての良識が如実に現れて胸のすく思いがする。すべての国民、とりわけ政治家、官僚、経営者、研究者、マスコミは本著によって速やかに目を覚まし、まず国民の加熱を冷まし、本当になすべき本来のエネルギーや食料の問題に集中して欲しい。日本の将来を救いうる名著である。ただ唯一の欠点は、著者が認めているが繰り返しが多きこと。おそらくやむなき事情であろう。同じ著者の北極のサイエンスも面白いが、これも繰り返しが多い。
「地球温暖化の原因は人類起源のCO2ではない」論をいくつか読んでるのだが、今回は赤祖父先生。地球電磁気学の先達でオーロラの専門家。アラスカ大学国際北極圏研究センターの所長を務めていたので、極地気候についても専門家に近い知識をお持ちの方だ。
本書の主張を要約すれば、「近年の温暖化は19世紀から続いているものである。人類起源のCO2が目立って増加するのは20世紀半ば以降であるから、関連は認められない。」というものだ。論拠もしっかり挙げてあるし、IPCC側の背景もしっかり批判していて、かなり説得的。お年寄り(77歳)の世迷い事とは決して言えないでしょう、これは。
著者が頭に来た反論というのがあって、「コンピュータシミュレーションで小氷期が再現できないので、そんなものはなかった」と言われたことがあったとか。17世紀にはテムズ川が凍るのが常態であったとか、日本でも天明の飢饉があったなど、寒冷期であることは明白なのに、全世界的な気温データがないと認めないと言ってしまう人の出るのは、最近の学会の雰囲気からして本当かもしれないと思わなくもない。
全体として、繰り返しが多いとか、日本語としてこなれていない言い回しが散見されるとか、小氷期で定着している Little Ice Age を小氷河期と書かれているとか、気になるところはあったが(アラスカ暮らしが長いので仕方ないでしょう。編集者の責任だよなあ)しっかり書かれた「反温暖化論」として重要な本だ。
タグ : 地球温暖化
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