![]() | 心理療法個人授業 河合 隼雄、南 伸坊 他 (2004/08) 新潮社 この商品の詳細を見る 生徒「人の心ってどこまでわかるのですか?」先生「わかってたまるか(笑)。でも、僕らは最大限の努力はします。心理療法は命がけの仕事なのです」生徒「ワカランワカラン言っていて治療できるのですか?箱庭を作ると治るんじゃないんですか?」先生「ハハハ」―人の心は不思議で深遠、謎ばかり。シンボーさんと少し勉強してみませんか?楽しいイラスト満載。「個人授業」シリーズ第4弾。 |
【目次】
臨・臨床心理学
催眠術は不思議か?
頭の中味を外に出す
心理学は科学か?
心理療法は大変だ
心理療法とヘンな宗教
謎の行動、謎の言葉
人間関係が問題
心理療法と恋愛
箱庭を見にいった
「物語」がミソだった
わかることわからないこと
ロールシャッハでわかること
やっとすこしわかってきたのに
【カスタマーレビュー】
人の心は・・・わかってたまるか!
これは深い。あまりに深すぎて、さすがの南伸坊も、いつものようにスッキリと腑に落ちるところまでたどり着いていないように見える。
本書は、南伸坊の個人授業シリーズ第4弾の文庫化だが、これ以前の3作の歯切れよさに比べると、その様相はあきらかに違う。ひとつの理由は、本書のテーマである「心理療法」が、いわゆる普通の科学や学問ではなく、人間そのものを丸ごと人間として扱う、という点にある。
一般的な科学や学問は、ある意味、「人間そのもの」はいったん脇にどけておいて、その後、おもむろに現象やら事物やらの仕組み、因果関係の解明に取り組む。
一方、心理療法の世界では、「今、橋の上です。これから自殺します。」というような、ものすごく具体的な生身の人間と対峙する。科学や学問の「きれいな」世界とは、異質だ。
これまでの3作では、いろんな学問の理論を南伸坊的面白主義で理解していく、という視点で編まれていたが、今回はその「理論」がない。ために、これまでのやり口=方法論が成立していない。「これから自殺します」という生の問題に、理論という武器を持たず、素手のまま直面してしまうのである。そして、生のままの現実をぶつけられて、少なからず南伸坊はあわてているように見える。
しかし一方で、面白がる余裕がないが故に、かえって考察そのものには、これまで以上の鋭さが光る。人の心はどこまでわかるのか、という問に対し、そんなものわかってたまるか!と言い切ってしまうユング派心理学の第一人者河合隼雄もすごいが、南伸坊も「わからない」点では決して負けてはいない。わからない中でもがきつつ、謎に迫ろうとするところが、本書のいちばんの魅力だと思う。
ちなみに先の「橋の上」氏には、すぐに駆けつけても、駆けつけなくても、どちらも×である。では、どう答えるべきなのか。その答えは・・・。
人は、物語を作る
高校時代から心理学に興味を持っていたので、河合隼雄さんの本は、昔からずいぶん読んでいる。この本は、まだ読んでいなかったので、文庫化され書店に並んだのを見つけて購入した。
13講の授業・講義の南伸坊「生徒」によるまとめに対して、河合「先生」が、感想・解説をコメントする形式になっている。
私が一番印象に残ったのは、第10講の「「物語」がミソだった」のところだ。「心理療法というのは、来談された人が自分にふさわしい物語をつくりあげていくのを援助する仕事だ」という河合「先生」の本の記述に伸坊「生徒」が引用している。すべての人は、自分の物語を作っている。
その物語の中に、うまく位置づけられないことが出てくると、人は精神のバランスを崩すのだろう。人が、うまく位置づけられないそのことを、なんとか物語の中に取り込もうと、物語を再構成しようと語ることを、辛抱強く聞くのが心理療法の仕事なのだろう。
普段の生活でも、家庭や職場で、周りの人の話をよく聞くことからはじめなくては…。
分かりやすかった
南伸坊と河合隼雄の両方とも結構好きで読むが、読みやすかった。
心理療法の本っていつも読んでもよく分からないけれど、なんとなく分かったような、わからないということが分かったような感じ。河合先生と南生徒に別れて話しているが、途中でどちらがどちらだか分からなくなるのが返って垣根がないようで読みやすかった。いいコンビだと思う。わたしは難しい感想は書けません。家族にも勧めてみました。
ギャグで応酬、ほんなことより心理学がどんなもんかわかりますわな
「個人授業」シリーズ、学問分野の大御所たちを相手に、核心に切り込んでいく名物編集者かつイラストレーター南伸坊さんの斬り込みが好きで、免疫学(多田)、生物学(岡田)と読んできました。先生と南さんのコミュニケーションが一番成り立っているのが多田先生の授業やわな。河合文化庁長官はご自分でもものを書くこと自体が職業、というところがあるから、ちょっと南さんとかぶる。多田先生はエッセイも書かれるけど、科学者の立場から書かれるから、南さんを生徒役にしてようお互い補完されあっとった。
ということで河合先生、南さんがそれぞれ長いフレーズを数ページずつ続けるということでインタラクティブなところはない。しかし私にはフロイトとユングの学派の違いも分かったし、それより詳しい心理学の歴史、またどうして話を聞いてやることでノイローゼがよくなるのか分かって、眼から鱗やったです。やはり南さんの存在が、こうした学問の背景や体系を各先生役に一般的に説明させとるんですなあ。南さんはホンマごつい。サイエンスやネイチャーの論文紹介のページに通ずるもんがある。
ほか、箱庭の話とかでは先生の方がうまいギャグで南さんに切り返したりしているところも、かぶりながらも丁々発止で本を面白くさせとる。ちぐはぐな方が、むしろ心理学という分野の複雑さをよう伝えてくれたと思います。近県への出張の電車で一気に読めました
カウンセラー、心理療法家を目指す人、必読!
心理療法の大家 河合 隼雄先生と、南伸坊さんの、おもしろ、楽しい、それでいて深〜い一冊です。
簡易な文庫形式の入門書ですが、心理学と臨床心理学のちがい、精神分析とカウンセリング療法などなどのちがいを明確、かつ簡潔に述べられているので、頭の整理ができました。
のっけから「人助けは単純なものではない。」「流行に乗って、「一丁あがり!」式に、癒しができるなどという、心イヤシイ人も出てくる」と河合先生は指摘されています。そのとおりで、転移、逆転移、DSM-IVに載っている障害、病名などの知識も持ち合わせずに、心理職につく人が少なくありません。(私も、そういう見識の浅い「人を傷つける癒し人」に何度も会っています。)
心理療法というものは、本当に奥深い。
する人(セラピスト)も苦しい経験をしていたり、共に苦しまなければ人を救うことはできない。
この本でも(他の著作でも再三)、河合先生は、「心理職は、”自己分析”を避けては努まらない職業」だと、強調しておられます。
河合先生は、徹底して、自己分析の重要性を説いておられます。
自己分析は、とにかくやってみなければ、それが、いかに重要であるかがわからないものです。
自己分析とは、人を癒す前に、”自分を癒すこと”そのものなのです。
河合ワールドの奥深さの片鱗を味わえる、おいしい一冊です。
▼ 個人授業シリーズ
※ 免疫学個人授業
※ 生物学個人授業
※ 心理療法個人授業
これは深い。あまりに深すぎて、さすがの南伸坊も、いつものようにスッキリと腑に落ちるところまでたどり着いていないように見える。
本書は、南伸坊の個人授業シリーズ第4弾の文庫化だが、これ以前の3作の歯切れよさに比べると、その様相はあきらかに違う。ひとつの理由は、本書のテーマである「心理療法」が、いわゆる普通の科学や学問ではなく、人間そのものを丸ごと人間として扱う、という点にある。
一般的な科学や学問は、ある意味、「人間そのもの」はいったん脇にどけておいて、その後、おもむろに現象やら事物やらの仕組み、因果関係の解明に取り組む。
一方、心理療法の世界では、「今、橋の上です。これから自殺します。」というような、ものすごく具体的な生身の人間と対峙する。科学や学問の「きれいな」世界とは、異質だ。
これまでの3作では、いろんな学問の理論を南伸坊的面白主義で理解していく、という視点で編まれていたが、今回はその「理論」がない。ために、これまでのやり口=方法論が成立していない。「これから自殺します」という生の問題に、理論という武器を持たず、素手のまま直面してしまうのである。そして、生のままの現実をぶつけられて、少なからず南伸坊はあわてているように見える。
しかし一方で、面白がる余裕がないが故に、かえって考察そのものには、これまで以上の鋭さが光る。人の心はどこまでわかるのか、という問に対し、そんなものわかってたまるか!と言い切ってしまうユング派心理学の第一人者河合隼雄もすごいが、南伸坊も「わからない」点では決して負けてはいない。わからない中でもがきつつ、謎に迫ろうとするところが、本書のいちばんの魅力だと思う。
ちなみに先の「橋の上」氏には、すぐに駆けつけても、駆けつけなくても、どちらも×である。では、どう答えるべきなのか。その答えは・・・。
高校時代から心理学に興味を持っていたので、河合隼雄さんの本は、昔からずいぶん読んでいる。この本は、まだ読んでいなかったので、文庫化され書店に並んだのを見つけて購入した。
13講の授業・講義の南伸坊「生徒」によるまとめに対して、河合「先生」が、感想・解説をコメントする形式になっている。
私が一番印象に残ったのは、第10講の「「物語」がミソだった」のところだ。「心理療法というのは、来談された人が自分にふさわしい物語をつくりあげていくのを援助する仕事だ」という河合「先生」の本の記述に伸坊「生徒」が引用している。すべての人は、自分の物語を作っている。
その物語の中に、うまく位置づけられないことが出てくると、人は精神のバランスを崩すのだろう。人が、うまく位置づけられないそのことを、なんとか物語の中に取り込もうと、物語を再構成しようと語ることを、辛抱強く聞くのが心理療法の仕事なのだろう。
普段の生活でも、家庭や職場で、周りの人の話をよく聞くことからはじめなくては…。
南伸坊と河合隼雄の両方とも結構好きで読むが、読みやすかった。
心理療法の本っていつも読んでもよく分からないけれど、なんとなく分かったような、わからないということが分かったような感じ。河合先生と南生徒に別れて話しているが、途中でどちらがどちらだか分からなくなるのが返って垣根がないようで読みやすかった。いいコンビだと思う。わたしは難しい感想は書けません。家族にも勧めてみました。
「個人授業」シリーズ、学問分野の大御所たちを相手に、核心に切り込んでいく名物編集者かつイラストレーター南伸坊さんの斬り込みが好きで、免疫学(多田)、生物学(岡田)と読んできました。先生と南さんのコミュニケーションが一番成り立っているのが多田先生の授業やわな。河合文化庁長官はご自分でもものを書くこと自体が職業、というところがあるから、ちょっと南さんとかぶる。多田先生はエッセイも書かれるけど、科学者の立場から書かれるから、南さんを生徒役にしてようお互い補完されあっとった。
ということで河合先生、南さんがそれぞれ長いフレーズを数ページずつ続けるということでインタラクティブなところはない。しかし私にはフロイトとユングの学派の違いも分かったし、それより詳しい心理学の歴史、またどうして話を聞いてやることでノイローゼがよくなるのか分かって、眼から鱗やったです。やはり南さんの存在が、こうした学問の背景や体系を各先生役に一般的に説明させとるんですなあ。南さんはホンマごつい。サイエンスやネイチャーの論文紹介のページに通ずるもんがある。
ほか、箱庭の話とかでは先生の方がうまいギャグで南さんに切り返したりしているところも、かぶりながらも丁々発止で本を面白くさせとる。ちぐはぐな方が、むしろ心理学という分野の複雑さをよう伝えてくれたと思います。近県への出張の電車で一気に読めました
心理療法の大家 河合 隼雄先生と、南伸坊さんの、おもしろ、楽しい、それでいて深〜い一冊です。
簡易な文庫形式の入門書ですが、心理学と臨床心理学のちがい、精神分析とカウンセリング療法などなどのちがいを明確、かつ簡潔に述べられているので、頭の整理ができました。
のっけから「人助けは単純なものではない。」「流行に乗って、「一丁あがり!」式に、癒しができるなどという、心イヤシイ人も出てくる」と河合先生は指摘されています。そのとおりで、転移、逆転移、DSM-IVに載っている障害、病名などの知識も持ち合わせずに、心理職につく人が少なくありません。(私も、そういう見識の浅い「人を傷つける癒し人」に何度も会っています。)
心理療法というものは、本当に奥深い。
する人(セラピスト)も苦しい経験をしていたり、共に苦しまなければ人を救うことはできない。
この本でも(他の著作でも再三)、河合先生は、「心理職は、”自己分析”を避けては努まらない職業」だと、強調しておられます。
河合先生は、徹底して、自己分析の重要性を説いておられます。
自己分析は、とにかくやってみなければ、それが、いかに重要であるかがわからないものです。
自己分析とは、人を癒す前に、”自分を癒すこと”そのものなのです。
河合ワールドの奥深さの片鱗を味わえる、おいしい一冊です。
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※ 免疫学個人授業
※ 生物学個人授業
※ 心理療法個人授業
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